心の状態と共同体のあり方の背景

心の状態
聖ヨゼフ修道会の姉妹たちの初期の伝統では、『心の状態』は、聖ヨゼフ修道会のコミュニティーのために、創立者であるメダイユ師が主張した祈りのフォームのうちの1つです。 自分の心を究明し、それを他の人と分かち合うというこの祈りは、神がいつもおられ、ただそれをはっきり知る必要があるだけということをシンプルに認識することです。私たちは、定期的に、どのように神の創造的なエネルギーが、絶えず、私たちの内に、また、私たちのまわりで働いているかを、同時に、どのように、私たち自身を通して、他のすべての被造物を通して、通例取り次がれるかを、立ち止まって思い出さなくてはいけません。メダイユ神父は、私たちが共同体において、 私たちの生活の隅々にわたって、様々な方法で神の愛が働いているということを証ししながら、これをお互いに分かち合うことを勧めました。

「心の状態」は、日々の生活の体験の中での私の心のあり方です: 私は、自分自身を、行い/あり方、使命/カリスマをどう体験しているか; 私は、自分の生活の中で、どのように神の働きを認めるか;弱い状況におかれたが、どのように神がその状況の中で、何かをつくって下さったか; 私はどう導かれたか; 私がどのように、さらにチャレンジを受けていると感じたか。 心の状態は良心の究明ではありません。 それは、私が、私の生活の中での神の愛のパターンを見るのを助け、私の毎日の祈りと観想から溢れ出ます。 一人ひとりの祈りの体験の分かち合いは、私たちに受肉の神秘を思い起こさせ、また、私たちを、信じるということから、神の愛に応えようとするステージへと動かすものです。神の恵みの働きに応えるということは、自分が内的に気付いたことを言葉で表現することによって、もっと明らかに具体化できます。このことは、私たちの創立者メダイユ神父がくり返し言われた、キリストの自己を空にするということ(emptying)でもあり、さらに、「みなが一つになるように」という共同体の一致という新しい深さへと私たちを導くものです。

共同体のあり方
「共同体のあり方」は、共同の観想の機会であり、共同体(地方の、修道会の)が、使命に忠実であるかどうかの意味を決定することを助けます。それは、 共同体が生きている使命をふり返り、どのように、健全な共同体は、その使命「一つにする愛」のうちにあるのかを示すしるしです。それは、共同体の「心」の究明、また、私たちの共同生活の観察であり、共同体への再コミットメントでもあります。

それは、私たちが、私たちの中の恵みの働きを、個人的に、あるいは共同体として、捜し求め、私たちが、その恵みに応えているかどうかに気付く神聖な機会です。私たちが、神の私たちに対する望みを知って、それに従っていくことができますように…。その目的は、修道会の目的(使命/カリスマ)と方向(寛大な約束)が、私たちの間に、また、共同体の外で、私たちの奉仕職を通して、どのように具体化されているかをふり返ることです。 分かち合い全体の目的は、共同で、共同体のメンバーの中で、および全体として共同体の中で働かれる聖霊の動きについて、一緒に識別することです。 祈りのうちに、それぞれがどのように主の御前に立っているかをふり返り、真理のうちに受肉されたキリストを思い出す時です。一致という目的のために、どれほど、自分を空にし、姉妹たちに神聖な分かち合いができるのでしょうか。創られた存在としての私たちの限界は、信頼するキリストと、姉妹という「キリストのからだ」の御前に、ありのままに差し出され、キリストにおける変容へと私たちを導くのです。それは、私たちに、友情や共通の奉仕職に依らない、信仰と信仰のコミットメントに根ざした、本当の共同体を創設します。個人と共同体の両方のために、それは識別を生きる方法です。

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「心の状態」と「共同体のあり方」の分かち合いは、お互いに、神が、私たちのうちに、そして、私たちのために行って下 さっていることを証しする個人的、および共同体的手段を提供してくれます。

マーシャ・アレン、CSJ